神綺☆上海☆齊王

徒然なるままにグリモワールを開いて、心行くままに能力を振るえば、異世界の中で従者たちが現れては消えていくさまを眺めるしか叶わぬと思う。
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レミリアと八神はやての中国制覇 第3話

2ヶ月ぶりの更新の上に戦いが終らずとかなり残念な結果に…
一応、終戦に向けて加速させたつもりです。
次でようやく初陣が終る。
というか、スバルのキャラがいまいち掴めない。

―――――――――――――――――

その頃、汝南の城では――


「ええのか?援軍を送らんとやばいんとちゃうか?」
「いいのよ。運命は勝利を指しているわ」
「その運命ちゅうもんが信用ならへんけどなぁ・・・・」
今、玉座には誰も居なく戦闘中だということを忘れさせるほど住人は平穏の時が流れている。
城の一室でもレミリアとはやてが紅茶を交わしながら平穏なひと時を楽しんでいた。
「いくらこちらの手の内を隠すっつーても、これは極端過ぎだと思うんやけどな」
はやてが紅茶を口に注ぎながら意見を吹っかける。
「あら心配?」
「なのはちゃんは友達やし、フェイトちゃんを困らせたくないからなぁ」
レミリアはその言葉を茶を啜りながら聞き入れ、咎めた。
「安心しなさい。初めからギリギリで勝つのは避けたいこと。今頃小沛からの軍が着いているんじゃないのかしら?」
はやてはレミリアの台詞の途中で手を止め、言い終えた頃に顔を引き攣る。
「そういうことか…。おぬしも悪よのぉ~」
「そうでもしないと退屈するだけでしょ?」
「今のうちからなのはちゃんに謝る準備したほうがええで。恒星の光に弱い吸血鬼が星の光での砲撃に叶うなんてありえへん」
「何を言っているの?私は軍師を騙した身。既に咲夜に謝状を書かせて懐に忍ばせているわ」
そんな台詞を吐いて両手を広げて溜息を出すレミリア。
「ところでレミリア。増援の規模はどのくらいなんや?」
はやてが顎に人差し指を当てながら頭上にクエスチョンマークを浮かべて聞くと、レミリアは薄ら笑いをして答えた。
「2万よ。先発部隊と合わせれば互角になれる程度の戦力。けど、背水の陣で奮闘された後ではどれほどの脅威になるものか……。くすくす、楽しみね」
レミリアは杯に入っていた紅茶を飲み干した。

――――

――――スバル視点――――

「何よこれ…」
城内に入ろうとした時、何かに突き飛ばされた。
しかし、前方にあるのは大きな穴。
修理に取り掛かっていた兵は全て気絶させたため、兵がやったとも思えない。
落ち着いて目を凝らして再び見ると、光の壁があった。
明らかに物質で構成されたものではない障壁。
確実なのは"敵に魔法を使える人物が存在する"という事実。
普通ならば、それで納得できる。
しかし、この世界はなのはさんが居た世界"地球"の古代。
あの地では未だに魔法の存在が認められていない。
だから……妙なんだ。
といっても、それほど頭が良くない私が考えて無駄なだけ!
そんなのを真面目に考えるのはティアの役目。
私は…全力全開で目の前の障害物を取り除くだけだ!!
「うおおおおおおおおおお」
雄たけびをあげながら殴りつけたら壁はガラスのように割れた。
障壁にしては低すぎる耐久力。
つまり、相手は障壁を出せるが魔力の練り方が甘いということ!!
いける!
勝利を確信した私は後方のなのはさん人形集団を無視して城内に上がりこんだ。
……後でにんぎょうの1体をお持ち帰りしよう。

城の中は罠だらけだった。
まるで城自体が罠であったかのように錯覚させるほど。
1歩踏み出せば、壁から矢が大量に撃ち出される。
2歩踏み出せば、天井が押しつぶしてくる。
3歩踏み出せば、伏兵が現れる。
こんなの聞いて無いよ~。
そんなこんなで城の最上階まで辿り着いた時、一人の男が私の前に立ち塞がっていた。
「やはり、単身で突っ込んできましたか。全く、とんだ猪がやってきたものです」
目の前の男は額に手を当てて溜息を吐く。
私よりやや高めだが、目立った筋肉は付いていなく棒の様な体躯。
明らかに戦場で敵を狩る武人とは言いがたい人物。
もしかしたら、部隊に指示を送る指揮官なのかもしれない。
本来なら私みたいな戦闘要因の前に立つとは思えない。
兵が尽きたのかな…。
となれば、この人には悪いけど眠ってもらうね!!
「一・撃・必・倒!」
車輪の回転数をMAXまで引き上げる。
迂回する必要など無いと判断、前方のモノを轢くように駆け出す。
その瞬間、男は何かを引く動作を行い、忠告した。
「少しは周りを見たらどうです?それと、もう少し慎重に行うように!!」
ここで、足元に違和感を感じるようになる。
例えるなら、床が陥没でもしたかのような…。
……下を見て推測が当たっていると認知する。
私が居た前後2メートル弱の部分の床だけが40センチ程落ちていた。
慌ててスピードを抑えようとするが、時既に遅し…見事に転んでしまった。
転んでしまった時点でチェック・メイト。
気を引き締めようとした次の瞬間、腕に何かが凄い勢いで刺さるのを感じた。
慌てて刺さったものを抜こうとして立ち上がろうとした時に二発目がやってくる。
こうして、私がうろたえている間に3発、4発目と刺さり、気が付いたら意識は閉ざされていた。


――――スバル視点(夢)――――
!!?
「あ、起きたみたいねスバル」
ティア、ここは?
「医務室よ。あんた大変だったんだから。全く、無茶しすぎよ」
あ、そうか。変な男の人に散々射されたんだっけ…。
「何言っているのよ?あんたはなのはさんと散々な死闘を繰り広げたのよ。ほら、なのはさんからの差し入れ。『やり過ぎてごめんね』というメッセージ付よ」
これって確か…ベルカ式13階層特大パフェ!!
探しても見つからなかったんだよ~これ。
ありがとう、なのはさん。うん、おいし。
「後でなのはさんに礼を言っておきなさいよ~」
うんうん。
「返事は1回!…そう言えばこの部屋には、私とスバルしか居ないのよね」
ん?それがどうしたのティア?
どうしたの?上着を脱いだりして…。
「あんたは、ほんっとに他人に心配ばかり掛けさせるんだから!!」
え?何?急に抱きついたりして…。展開が読めない。
「もう離さない…。しばらく……この状態でいさせて…」
……わかったよティア。
できれば……ずっとこのままで…。
「それと、心配をかけすぎるスバルには……」
…どうしたのティア?
………ちょ、イタタタタ!強く抱きしめすぎよティア!!
「少しばかりお仕置きが必要みたい…ね?」
食い込んでいる!何かが食い込んでいるから!!
今、変な機械音が聞こえたよ!怪我が増えちゃうよ!!
許してよ、ティア!謝るから!!
「許さない…私が満足するまで許さない……」
折れちゃう!骨やらなにやらが折れちゃう!!!
って、ティア何時の間にそんな筋肉を身に着けたの?!!
いや……そんな腕で思い切り締められたら壊れちゃうよ…。
だんだん感覚が薄れていく…。
もう…………だ……め…。
――――


――――曹操視点――――
「イヤァァァァアアアァァァアアアアアァァァァァァアアァァアアア!!」
「……郭嘉、そやつが単身で我が城にやってきた猛者だというのじゃな?」
「仰せのとおりでございます」
もう一度、郭嘉が引きずってきた物体に照準を合わせる。
簀巻きにされたソレは、さっきまでぶつぶつと寝言を言っていたかと思えば、今さっき勝手に断末魔をあげて気絶してしまった。
一体、何が起きたのだろうか?
郭嘉の報告によれば、数発の睡眠薬を塗りこんだ矢で打ち抜いたという。
まさか、撃ちすぎて殺してしまったか?!!
「起こしましょうか?」
郭嘉はそう言って棒を構えていた。
「うむ、是非ともやってくれ」
「ありがとうございます。ふん!!」
儂が了承すると、郭嘉は目の色を変えて捕虜を容赦なく殴っていく。
回数を増すごとに威力と速さが比例し、気が付けば捕虜は宙に浮かされたまま殴られていた。
それにしてもこの郭嘉、ノリノリである。
「99・・・・100!!」
丁度100回目となるとき、ソレは横に飛ばされ壁に激突する。
その時に轟音が鳴ったので、儂は郭嘉に武道を教え込もうと思った。
「ここまでやって起きないとは…。相手は中々の将ですね」
「お主がやりすぎただけだと、儂は思うのだがな」
「まさか。私の攻撃に耐えられない輩がここまで辿りつけるはずがないでしょう!」
いや、いけると思うぞ。
儂だって、あんな攻撃を受けたら意識を保てる自信が無い。
この戦いが収まったら郭嘉専用の武器でも作らせてみるかのう。
「う…うぅ……ごめんティア…」
窪みが出来上がった壁から聴解可能なうめき声が流れる。
捕虜が起きた証拠だ。
てっきり朽ち果ててしまったかと思ったが良かった。
これで、敵の情報が探れることができ、あわよくばこの人物を我が軍の将に迎えることが出来よう!
「さて、女y…「起きましたか。脳筋の敵将よ」
儂が尋問しようとした時に郭嘉が割り込んできた。
それも、嘲笑うかのような顔で挑発する台詞を言って。
挑発された青い髪の女性は、耐性が付いてなかったようで…。
「調子に乗るんじゃないよ!!」
とか言ってくじら目で郭嘉に突撃する。無論、す巻きされた状態で。
猪と化した将の攻撃をかわすのは武官じみた郭嘉にとって容易な芸当であり、女性の攻撃をひらりとかわして見せた。
そして、嘲笑いながら卑下する。
「調子など乗っていません。自分の状況をよく把握できない人を脳筋と言って悪いことはないでしょうに」
「その言葉…後で言ったことを後悔させてもらうよ!!!」
女性は再び郭嘉に突進する。
靴に付いている車輪が自動的に回転を始めているせいか、数寸で思わず千里を駆け抜けてしまいそうな程の神速にまで到達する。
それでも一直線状の軌道であるため、女性が走り出すと同時に郭嘉は右に跳んでかわす。
これで終わる女性ではなく、急激に減速して棒と化した体で体勢を整えながら軌道を修正して加速する。
郭嘉は修正し終わる瞬間と同時に横に跳ねて、二度目の回避に成功する。
軌道修正、回避、軌道修正、回避。
立場変わらぬ攻防が永遠に続こうとしたが、女性の勢いが弱まったころに流れが変わった。
「これで終わりです」
郭嘉はその台詞を言い終えると同時に、器用に懐から取り出した小刀で女性の喉元を突きつけた。

――――

――――
郭嘉がスバルを捕らえて曹操の前に差し出している頃、陳留城の近くに1つの軍が突如姿を現す。
まるで蜃気楼のように現れた軍の数は2万と今の曹操軍と変わらないが、戦闘を行っていない為実質的上回っている。
そんな見事な伏兵部隊を纏めているのは、この時代にしては奇妙な面々。
古風の日本人女性に白髪三つ編みの左右の色が反転している服を纏った女性、そして兎の耳を付けた制服姿の少女。
端から見れば胡散臭い三人組が陳留城へと軍を進める号令を発した。
――――

――――スバル視点――――
私は今、かなりピンチな状況に追い込まれている。
目の前の冷めた人に散々馬鹿にされてついつい頭にきて勢いに任せたら、気が付いたら喉元にナイフを突きつけられる有様。
向こうにふんぞり返っているおっさんが郭嘉とか言ってたけど、遭った時から捻くれた手を使い続けている。
もしからしたら、司令官の位置する人なのかもしれないなぁ。
これでは分が悪いのは明確。
ティアに救済策を聞いてみようか。
そうと決まれば、早速ティアに通信を試みる。
大丈夫、こちらの世界の人は魔法の存在が明確になっていない。
つまり、通信はばれていない!
―ティア、聞こえる?
「聞こえるわよ。一体、どうしたのよ?」
―結果から言うと、捕まった。
「はぁ?何ポカしてんのよ。それじゃあ作戦は失敗になったわ」
―それで相談なんだけど。この状況から逃げる手段ってないかな?
「相談だけには乗ってあげる。それで?具体的にどんな状態なの?」
―身体は縄できつく簀巻きにされ、目の前には二人だけど、片方にナイフで喉元を突きつけられている状態。
「あんたって人は…。まぁ、結果的に目の前に敵の重役がいるだけでも手柄ね」
―それで、どうやれば逃げれるの?縄は解けそうにないけど。
「スバル。ここは敢えて目の前の二人を捕獲して」
―だから縄が・・・・
「簀巻きにされているんだったら、ナックルパーツを回転させて千切れる筈よ。冷静に考えれば思いつくけど、あんたは恐らく敵の挑発に乗らされたのよ」
―なるほど。でも、喉元にナイフを突きつけられている状況でそんなことできるの?
「それは足を揃えた状態で最大加速で真後ろに後退すればいいことよ。車輪を手動で動かしている世界の人間が車輪が自発的に動くとは絶対に考えないから問題ない筈よ」
―わかったよティア。早速やってみるよ!
「頑張りなさいな。あんたの行動が勝敗を決めていると言ってもいいんだから」
ここで通信が途切れる。
改めて目の前の光景を観察する。
人影は2、他は門番が数人が居る程度。充分に対応できる。
しばらく黙っていたせいか、冷めた人の口が開く。
「どんな手を打とうとしても無駄ですよ。行動に不審を見つけたと判断した瞬間に貴女の首に風穴を作ります」
確かに、いくらバリアジャケットを着てたとしても、こんな間近の攻撃は少しでも受けてしまう。
本当に賭けだねこれは。
確実に魔力を練り合わせ、オーラ型のバリアを展開。
この時点ではまだ不審に思われて無いようだ。
次に魔力を一気にローラーにつぎ込んで超回転でバックする。
「「な?!!」」
この世界では非常識ともいえるアクションで二人が驚いた隙にナックル部を回転させて縄を千切って解く。
これにて形勢逆転。この戦いの決め手ともいえる賭けは成功した。
「殿、お逃げ下さい!我々がここをせき止めている間に城外の軍を引き上げて下さい」
「う、うむ。頼んだぞ」
へー、あの偉そうが人が総大将かぁ。
だったら、逃がしはしないよ!!
総大将が悔しがりながら逃げ始めたと同時に、私も追い始める。
「予想外でした。まさかここで使うことになりますとは…」
冷めた人はそんな台詞を呟くと、懐から笛を取り出して思い切り吹いた。
笛の音が部屋中に響き渡ると、天井の一部が落ち、後に続くように兵が降りてきた。
伏兵にしては少なすぎるところから、恐らくは暗殺者対策かな。
ということは、この冷めた人は最終手段を使ったということ。
つまり、罠に恐れる必要はない!!
「ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!」
スピードを落とさないまま目の前の障害を一つ一つ取り除く。
先程まで身軽なステップでかわしつづけた冷めた人が止められると判断し無視した。
数秒にして逃亡する対象の前に障害がなくなる。
このままつっこんで対象を地に這わせるのは趣味じゃないので、バインドで拘束。
後は、対象を元いた部屋に引き戻して、他の兵をまとめてバインドさせ、対象に説得をはじめる。
「貴方の身は拘束しました。お願いですから、貴方の領地ごとこちらに降ってくれませんか?」
「断る!儂がいなくなっても、この軍は息子の曹丕らが治める!!」
直球はやっぱり駄目だった。
流石は一国を治めるだけの器だね。
だけど、この人物が治める国レベルで考えれば脆いところもあるんじゃないかな。
早速、その部分を突付く。
「太守さん。貴方の息子は曹丕さんだけでしょうか?」
「いや、他にも3人の子息がおるが」
「だとしたらさ、もしも貴方が死んでしまったら後継者争いが発生するってことじゃないですか?」
「儂が遺言を残せばよい話だ」
「残念ながら残しません。殺す場合は、この場に居る人間全てを殺す。遺書も誰よりも早く見つけ出して燃やします」
「そこまでやるとは!お主にとって、わが軍の後継者争いはどうしても起こさせたいようじゃな」
「大将が決まらない軍は士気が低い上に統率が取れていないものです。それも人数と比例してバラバラになりやすくなるから、攻め込むこちらからしてもみれば絶好のカモとなる。ま、私はそんなネチネチしたやり方には反対ですけどね!」
「ふ、御主は兵法を多少は心得ているようだな」
「ということは…」
「しかし降伏はせぬ!お主の軍は単身奇襲などという危険な行動まで取らせている。これは余程の兵力差があるというのを悟らせているようなものじゃからな。今頃はお主の寡兵の部隊は瓦解し始めているじゃないのか?」
太守さんが啖呵を切ってしまい、作戦は詰み状態に陥った。
確かにスターズ隊は数が少なすぎた。これは当たっている。
だけど、これは敵とガチンコでぶつかった時の場合。本当は違う。
私の部隊は直接城内に奇襲を仕掛けている。もし置いていった小さいなのはさんたちが辿り着いたら状況は一転する。
いや、纏まった増援が来てくれれば降伏も認めざるをえない状況に追い込める!
幾らこちらの軍が少ないといっても、中身は近代ベルカ式の魔術師の部隊。
元より一対多数用に出来ている部隊だから、例え負けたとしても相手側のダメージも相当な物だろう。
そんな所で新しい敵軍がご到着ときたら白旗を揚げるのが正しい判断になると思う。
逆に言えば、こちらに敵部隊が駆け込んできた時点で作戦は失敗。
お互いが風前の灯なのを騙し隠しで向き合っているだけ。
けれど、同じ状態といっても状況は大きく異なる。
「仕方…ないかな……」
私は溜息を吐いて、城外に向けてウィングロードを展開する。
「一体なんだこれは?!!」
狼狽している太守さんと黙り込んでいる冷めた人こと参謀さんを抱きかかえて車輪を唸らせる。
私は質問の応対を行わず
「行くよ、マッハキャリバー」
「Yeser.Master」
デバイスにだけ声を掛けて無謀ともいえる拉致を実行した。

――――

――――郭嘉視点――――
もしかして、この女性の下半身は名馬なのであろうか?
確か西の国ではケンタウロスと言う伝説上の生物が居たというが、もしかしたらそれなのかもしれない。
そう思えてくるほど…私を抱いている女性は物凄い速度で光の道を駆け出していた。
空を走る道であるため今のところまで軍と遭わずに事無く進んでいるが、もしも遭ったら諦めるしかないだろう。
行き先は大方予想が付くが、事の重大さを再認識する為に確認する。
「女」
「なに?」
私が顔を見上げて女性の顔を覗くと、声で反応を示す。
「君は何処に向っている?まさか汝南の城とか言わないでしょう?」
その質問に女性は声のトーンを上げて答える。
「ううん。私が向っているのはそこだよ。流石に私一人では対処しきれない問題になったからね」
この言葉に激昂したのは殿だった。
殿は目くじらを立てて女性に怒鳴りつける。
「何と言う無茶を犯すのだお主は!!」
それに対し女性は
「だけど正解だよね?」
と殿の言葉を否定して、自分の肯定性を強調させた。
その後も殿と女性のやり取りが続き、私の立場がないことを悟ると、下の戦の様子を覗く。

「スペルカード!不死「火の鳥 ‐鳳翼天翔‐」!!」
「無駄よ!難題「火鼠の皮衣 ‐焦れぬ心‐」!!」
対立する二人の少女から放たれた炎は衝突し、消滅。
戦には似合わぬ少女が居ることにも疑問を持つ。
炎の鳥を出現させた城壁を背に構える少女は、つやのある白い髪を長く伸ばしており、見たこともない異国の衣装を身に纏っているが、鎧を纏っておらず前線で戦うには不適当。
対してそれを炎の壁で打ち消した少女は、黒髪長髪、ばっさりと切られた前髪に上質の着物と、武人というよりは貴族であり、やはり戦場に居ることに疑問をもたざぬを得ない。
こんな二人が何故最前線に居て、奇術の一騎打ちを行っているのか。
よく見れば周囲には味方の軍が一人も居らず、まるで白髪の少女が敵の1万の軍勢を抑えているようだ。
荀が以前語った『長坂橋の張飛』に規模は小さかれ酷似している。
しかし何故――こんな状況に……

「シールド?!!何でこんなところに!!」
女性の焦り声に反応して前方に視界を戻す。
前方の景色は僅からながら霞んで見えた。
膜が掛かった景色と言えばいいのか。
成る程、この膜が『シールド』というものか。
光の道も途中で途切れている。
「ブレーキが間に合わない…!!」
女性は瞳孔を開いてそんなことを呟く。
そして、女性と共に殿と私も見えない壁にぶつかり、落下。
落下した先。
それは――
「天よ。この処遇はあまりにも酷いです」
溜息交じりでそう呟くしかなかった。
前方には1万の敵軍と黒髪の貴族女性。
横どころか後方にも味方軍がいないこの状況で。
風前の灯…絶体絶命が正しいか……
私は天を呪った。
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